ログイン不要・サーバーに保存しない——URL だけで共有できる Markdown エディタを作りました【MarkHash】

投稿日:

LLM を日常的に使うようになってから、Markdown を書く機会がじわじわと増えてきました。 プロンプトを整理したり、出力をドキュメントにまとめたり… その度に「サッと書けて、そのまま共有できる軽いエディタが欲しい」と感じます。

既存のツールも試しましたが、どれかが物足りなく感じてしまいます。

Google ドキュメントや Notion は、作成・共有の操作がやや重たく感じます。 Markdown との互換性も完全ではないため、書いたドキュメントを他の場所で使いまわしにくい場面もあります。 書き捨てのドキュメントが増えていくと、定期的な整理が必要になるのも地味なストレスです。

Obsidian は便利ですが、ドキュメントをどうやって共有するかの課題があります。 有料の Obsidian Publish や外部プラグインで補うこともできますが、リンクを一本送りたいだけにしては仕掛けが重くなります。 Vault に書き捨てのメモが溜まっていくのも、Google ドキュメントと同様の課題があります。

VS Code などの IDE は、Markdown のためだけに起動するには重く、編集タブが作業領域を圧迫するのも気になります。 Markdown を書きたい場面がコーディングの時だけとも限りません。

既存のオンライン Markdown エディタ の中にも URL 共有機能を備えるものが数点見つかりました。 が、いずれも共有ボタンを押すと内容がサーバーへ送信され、一意の URL が発行される仕組みでした。 プライバシー面で不透明な部分が残ります。

自作しました

以上を踏まえ、次の要件を満たすエディタを自作しました。

  • インストール・ログイン不要ですぐ書き始められる
  • リアルタイムでプレビューできる
  • Markdown の入力支援がある
    • 括弧の自動クロージングや、リスト改行時のプレフィックス (- 1. ) 付与など
  • 内容を URL で共有できる
  • 内容はサーバーに保存されない

それが MarkHash です。

MarkHash のスクリーンショット

主な機能

リアルタイムプレビュー(3 モード切り替え)

書きながら仕上がりを確認できる分割表示モードを搭載しています。 エディタのみ・分割・プレビューのみの 3 モードをワンクリックで切り替えられます。

プレビュー専用ページ

「フルページ」ボタンを押すと、編集中のドキュメントを文書閲覧に特化した専用ページで開けます。 目次が自動生成されるため、長いドキュメントも読みやすくなっています。

プレビュー専用ページの見た目。大きな本文と、目次を表示

Mermaid 記法に対応

```mermaid と書くだけで、フローチャートやシーケンス図をその場で描けます。 テキストだけで図を表現できるので、議事録や仕様書との相性が抜群です。

ワンクリック整形(フォーマット)

Beautify ボタンで Markdown を自動整形します。 見出しレベルの統一や余分な空行の整理など、一貫したスタイルを保てます。

テーマ切り替え

カラフルな全 6 種類のテーマを用意しています。 共有 URL にテーマ情報を含めるかどうかも選べるため、受け取った相手に同じ見た目で見てもらうことも可能です。

テーマ切り替えボタンをクリックすると、テーマの選択肢が表示される

推しポイント:サーバーに何も保存しない URL 共有

最も力を入れたのが URL 共有の仕組みです。 共有ボタンを押すと、Markdown の内容を圧縮してブラウザの URL のハッシュ部分(# 以降)に埋め込んだ URL が生成されます。

例: https://markdown.muryo.tools/ja/edit/#doc/lz/py+mm5QYUY0XKEkMi1UYyQyHMGQQBmFkGQQgyCiGQMgyAsGQYgyAqDIGoMgIgyB+DIJoMggP9A

この方式の利点は、内容がサーバーにまったく送信されないことです。 すべての処理がブラウザ内で完結するため、内部情報や個人的なメモを書いても、サーバーに保存される心配がありません。

注意点

一方で、URL に内容が含まれている以上、URL 自体を共有すれば内容も見られます。URL の取り扱いにはご注意ください。 初回共有前には警告のダイアログを表示する実装としています。

警告ダイアログの表示

ブラウザのタブ分割との相性も良し

最近のブラウザには、ウィンドウ内でタブを左右に並べて表示できる「タブの分割表示(Split View)」機能が搭載されていることが増えました。 MarkHash はこの機能との相性がよく、左タブでエディタを開き、右タブで別の作業をしながらという使い方もできます。

タブ分割で MarkHash を利用している様子

特に LLM へのプロンプトを推敲する場面では、Enter キーによる誤送信を気にせず草稿を練られるので重宝しています。

おわりに

MarkHash は「ちょっと書いて、ちょっと共有する」という用途にフォーカスして作りました。 インストール不要・登録不要なので、ぜひ一度試してみてください。